所蔵品
所蔵品

AZAMI

薄塗りで端整に仕上げた画面と、穏やかな中間色でまとめた色彩。様式化された女性の人体表現や、平面的な草花の描写とともに、装飾性の高い優美な画面を生んでいます。
東郷青児(1897-1978)は、鹿児島市出身。大正初期に、ヨーロッパの先鋭的な表現を採り入れた作品を発表、前衛画家として画壇の注目を集めます。間もなく渡ったパリでは、先進的な美術思想に触れる一方、理論を偏重することなく、自らの個性と感覚に基づいた独自の造形表現の必要性を実感。帰国後、模索と探求を重ね、やがて、ある種理想化された独特の女性像を生み出しました。繊細な陰影表現により、人工的な三次元性を獲得した甘美な人体表現。叙情性と官能性を併せ持つ女性像には、多くの人に愛される美術を目指しつつ、自らの資質や感覚に忠実であろうとした、画家の姿勢が体現されているようです。
名称 AZAMI あざみ
作者名 東郷青児 トウゴウ・セイジ
時代 昭和35年頃
材質 油彩・画布
サイズ 120.0×298.0
員数 1面
その他の情報
指定区分
分野