教育プログラム
教育プログラムEducation Program
広島県立美術館では、児童・生徒のみなさんから一般の方まで幅広い皆様が美術に親しんでいただけるよう、出張授業やアートカードの活用など、各種の教育普及プログラムを行っています。また、団体でのご来館時の対応(美術館ガイダンス)を、随時、ご希望にあわせて行なっています。

鑑賞教材(アートカード)

広島県立美術館の所蔵作品に親しみつつ、鑑賞学習への興味・関心を高める鑑賞学習キット「アートカード」を広島大学と共同開発しました。
本物の作品がなくても、学校で楽しく鑑賞学習ができます。

アートカードとは

アートカードは、美術に親しませることなどを目的とした初期段階の学習とともに、美術の専門的内容をゲーム感覚で学ばせることを想定して開発された教材です。
幼児・小学校低学年から小学校高学年・中学生まで、子どもの発達段階に合わせてさまざまなゲームによる学習ができます。
アートカードを用いた授業を通して、作品の面白さや楽しさを感じ取ったり、作品に対する自分のなりの感じ方を広げたり深めたりすることで、鑑賞学習への興味・関心を高めることができます。

アートカードの詳しい使い方やゲームの内容についてはこちらをご覧ください。
広島県立美術館アートカード入門 ―鑑賞学習へのヒント―(PDF:5892KB)

アートカードの貸出について

貸出対象

原則として、広島県内の学校や社会教育施設を対象とします。

貸出期間

1ヵ月間(輸送機関を含みます)

貸出方法

  • 事前にお電話でお問い合わせください
  • お電話での確認後「借用申請書」に必要事項をご記入いただき、FAXにてお送りください
  • 使用料は無料ですが、郵送をご希望の場合は送料をご負担ください
  • 美術館に直接取りに来ていただくこともできます

注意事項

  • 紛失や破損等のないようにご注意ください
  • ご返却の際は、アートカードの数量や順番を確認し、整理したうえでご返却ください

お問い合わせ先

広島県立美術館
〒730-0014 広島市中区上幟町2-22
TEL.082-221-6246 / FAX.082-223-1444

アートカードの一例

伊万里 柿右衛門様式 色絵馬
このカードの説明

目を見開き、鼻腔をふくらませ、耳をピンと立てて歯をかみ合わせ、胸を張り、力強く大地を踏みしめる二頭の馬。
背中の装飾布には宝相(ほうそう)花(げ)唐草文様などが鮮やかな色絵で描かれ、馬の緊張し、興奮した佇まいとともに、吉祥的で祝祭的な晴れがましさが全身から発散されている。
伊万里焼は1659年以降オランダの東インド会社を通じて本格的に輸出されたが、これらの馬も長らくフランス・ボルドー地方の旧家を飾っていたと伝えられる。

ある音楽家のための楽譜
(パウル・クレー)
このカードの説明

画面を分割する線を五線譜に見立て、音符やト音記号を思わせる造形を、まるで音楽を奏でるかのようにリズミカルに配置する。
象形文字のような音符の独特の造形は、アフリカの染織デザインの影響だろうか。バリエーション豊かな色調で塗り分けられた五線譜と、にじみを見せる黒い線との調和にも着目したい。
詩的な響きをもつ作品名と描かれた内容を行き来しながら、楽しめる作品。

村の子供
(和高 節二)
このカードの説明

右から、画家の次男、長女、長男、次女である。おそろいの長靴を履いた素朴な装いの少年少女たちは、仲良く並び立って、じっと正面を見つめている。
寒さのためかそれぞれに頬が赤く染まり、その表情には穏やかな笑みが浮かぶ。
その目線の先にある父・節二の絵筆をにぎる姿、愛情に満ちたその眼差しが想像される。
長女のマフラー、次女の服と人形とに用いられた赤がとりわけ鮮やかで、作品に華やかさを添えている。

帽子をかむる自画像
(靉光)
このカードの説明

がっしりとした上体に太い首。堅牢な体は、画家の痩身を模したとはいいがたい。
応召までの約1年間に、靉光は著名な三点の自画像を描いた。日頃からアトリエに人を入れたがらなかった靉光だが、自画像制作の際はその傾向を一層強め、家族の留守中にひっそりと描いていたという。
外界を遮断し、自己との深い対話から生まれた力強い造形と重厚な画面は、画家の凝縮した精神と制作に打ち込んだ時間を塗りこめたかのようである。

雲になった蛙
(芥川 永)
このカードの説明

詩的なタイトルが印象的である。
上空に浮かぶ雲を思わせる造形には、よく見ると、目鼻や手足のようなかたちが表され、さらにつるりとした凹部が蛙の腹に見えてくると、つい笑みがこぼれる。
具象的な作品が多い芥川であるが、本作は、別の作品を破棄するときに偶然生じた破片から想を得たということ。
ユニークなタイトルと、変化に富む表面の造形や質感が魅力的な作品である。

鑑賞教材(アート・トーク)

広島県立美術館の所蔵作品に親しみつつ、鑑賞学習への興味・関心を高めるモデル授業を広島大学と共同開発しました。美術館で実際に作品を鑑賞することが適わない場合も、PowerPoint教材を用いることにより、学校にいながら多彩な美術作品を疑似体験することができます。
広島県内の小・中学校で美術教育の授業づくりを研究されている先生方によるオリジナルの開発であり、鑑賞を深めるワークシートなども紹介しています。

広島県立美術館アート・トーク入門 ―教室でできる美術鑑賞―(PDF:1404KB)

学校のための美術館活用マニュアル

広島県立美術館の所蔵作品に親しみつつ、鑑賞学習への興味・関心を高めるモデル授業を広島大学と共同開発しました。
広島県内の小・中学校で美術教育の授業づくりを研究されている先生方によるオリジナルの開発であり、鑑賞を深めるワークシートなども紹介しています。

広島県立美術館学校のための美術館活用 マニュアル(PDF:1721KB)